性病検査キットの比較、はじめての人にもわかりやすく解説

性病には様々な種類があります。
ここでは、性病と呼ばれる病気を全て一覧にしました。

日本性感染症学会のガイドラインにあるものを中心に、その他の病気も網羅しています。
HIVのように性行為以外にも感染する可能性があるものもありますけど、ここでは性病として紹介します。

症状から逆引きはこちら

性病の種類

後天性免疫不全症候群(エイズ)

名称:

後天性免疫不全症候群(エイズ)

原因は?

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が体内に入り込み、体内で徐々に免疫を破壊しエイズを発症させます。

症状は?

感染から10年ほどで体内の免疫がなくなり、通常であればその免疫力によって増殖が抑えられている病原性の低い常在細菌が増殖し病気になります。

日和見感染症といって、現在は24種ほど病気があり症状も様々。
HIVに感染して発症した段階でエイズとなります。

なお、HIV感染直後の1-2か月程度で、初期症状が現れます。
HIVの初期症状についてはこちらを確認ください

また、HIV感染してエイズを発症する前に様々な病気になることもあります。
代表的なものが帯状疱疹やカンジダです。

治療方法は?

現在の医学で、完治することはできません。

エイズの発症を抑えるための治療が主で、継続して治療を受ける必要があります。
適切に治療をすれば、エイズの発症を数十年遅らせることができ、ほぼ寿命を全うできる状況です。

放置するとどうなる?

HIV感染後10年前後でエイズを発症します。
エイズを発症すると予後は悪く6から19ヶ月で日和見感染症やがんでなくなります。

日本での感染状況

年間1000名程度が新たにHIV感染者が見つかっています。
ほとんどが男性で、男性同士の行為による感染が中心です。

今のところ男性から女性への感染がないので、大きな広がりはない状況です。

HIV エイズに関してより詳しくはこちら

梅毒

名称

梅毒(ばいどく)

原因は?

梅毒トレポネーマという真正細菌が体内に入り広がります。

症状は?

始めは感染か所に小さな発疹ができる程度ですが、段階を追って全身に発疹がでます。
最終的に内臓や脳にも腫れ物ができます。

治療方法は?

薬を飲むことで完治することができます。

早期に発見できると、治療期間は短くなります。

放置するとどうなる?

発疹が目立つので、放置されることは少ないです。

以前は直す手段がなかった病気でしたが今は重篤な症状になる人は少ないです。

日本での感染状況

2010年代に入り感染者が急増し始めました。

毎年患者数が増えている状況で、厚生労働省も注意喚起をしています。

以前はHIV同様に男性同士の行為による感染が中心でしたが、今は男性から女性、女性から男性へ感染する事例も増えています。

肝炎

現在、ウイルス性の肝炎はその型によりA型、B型、C型、D型、E型、G型の6種類。
そのうち性病に当てはまるのは、B型、C型で、口で感染するA型も含むことが多いです。

名称

A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎

原因は?

それぞれの型の肝炎ウイルスが体内に入ることが原因です。
症状が現れないことも多いです。

A型は口から、B型、C型は血液感染で一般的な性行為が原因です。

医療現場での感染もあるので一概に性行為だけとは言いにくい病気です。

症状は?

黄疸、発熱、倦怠感、食欲不振や嘔吐といった消化器系に症状がでます。
無症状の人が多いのですが、まれに慢性化したり、急激にひどい症状が出ることもあります。

治療方法は?

治療方法はしっかり確立されているので、それほど怖い病気ではありません。
ただ、急激にひどい症状を起こす場合はとても危険です。

放置するとどうなる?

無症状でそのまま自然治癒する人が多い病気。

急激にひどい症状が出た場合は危険なので注意は必要です。
また慢性化していると肝硬変や肝がんを引き起こす可能性が高まるといわれています。

日本での感染状況

日本では医療現場での対策が行われているので、それほど深刻な状況ではありません。
どちらかというと海外に患者が多いので、性的接触がある場合は注意が必要です。

尖圭コンジローマ

名称

尖圭コンジローマ、せんけいコンジローマとよみます。

原因は?

ヒトパピローマウイルス (HPV) の感染によって発症する性感染症です。

ヒトパピローマウイルス (HPV) は腫瘍ウイルスで、100種以上の型が見つかっています。

症状は?

男女とも性器や性器周辺、肛門に、表面が突起した隆起物ができます。

鳥のトサカのような形であったり、カリフラワーといったような表現ができるイボみたいなものです。

治療方法は?

投薬や手術で治します。

一般に数か月薬を飲むことが多いです。

放置するとどうなる?

見栄えが悪いです。

尖圭コンジローマのヒトパピローマウイルスは良性腫瘍なのでほかに危険はないです。
ただしヒトパピローマウイルスの中でも様々な種類があって中にはがんをおこしやすくするものもあります。

日本での感染状況

日本よりも世界での感染者が多く、年間3億人と推測されています。
海外での性行為がある場合は注意が必要です。

軟性下疳

名称

なんせいげかん と呼びます。

原因は?

軟性下疳菌が体内に入り発症します。

症状は?

性器や性器周辺に大豆くらいの潰瘍が数個発生します。
はじめはイボから膿がでて、潰瘍になっていきます。

潰瘍がこすれたりして痛みを感じます。

治療方法は?

しっかりと確立されているし、広範囲になる病気ではないので簡単に感知します。

放置するとどうなる?

潰瘍に気づくので放置はない。

日本での感染状況

かつては主要な性病だったのですが、抗生物質の登場で日本を含め先進国ではまず見ることがない病気になっています。
海外ではまだまだ見かける病気です。

性器カンジダ症

名称

一般には カンジダ。

原因は?

カンジダの真菌によって引き起こされます。

ほとんどの人が体内に持っていて、免疫の低下などで症状がでます。

症状は?

男性にはあまり症状が出ることはなく、出ても軽いです。

女性はオリモノがカスのようにぽろぽろと出てきたり、性器周辺がかゆくなります。

オリモノに異変を感じたら

治療方法は?

洗浄や塗り薬で治ります。
再発もあるので体調管理が大切。

放置するとどうなる?

自然に治ることもあるし、市販の薬もあります。

日本での感染状況

菌を持っていない人も性行為で感染します。
多くの人が菌を持っていると思っておいていいかもしれません。

ケジラミ症

名称

けじらみ。

原因は?

毛に寄生するシラミです。
虫。

陰毛、肛門周辺の毛など人の体毛にいます。

症状は?

血を吸うので、かゆみや痛みを感じます。
フンもするから、下着が汚れることもあります。

治療方法は?

専用の洗剤があるので、特に難しい治療ではないです。
ただ、卵の段階だと効き目が弱いので、1か月ほどかかる。

毛をそるのも1つの手段です。

放置するとどうなる?

虫なので、衣類や布団からも感染して、患部を広げたりします。

日本での感染状況

唯一コンドームをしても、予防できない病気です。

淋菌感染症

名称

りんきんかんせんしょう、りんびょう

と呼ばれています。

原因は?

淋菌に感染して起こります。

あと、性器だけでなくのどにも感染します。

症状は?

男性は尿道や睾丸に炎症を起こします。
性器に激しい痛みや、膿がでるのでわかりやすいです。

女性は自覚症状の乏しい。
でも、子宮頸管、子宮内膜、卵管などに炎症を起こします。

治療方法は?

投薬による治療ができます。

最近は薬に耐性をもっている菌もいるようで、世界的に問題になっています。
感染しないことが重要になりつつあります。

放置するとどうなる?

女性は放置したり後遺症で、子宮外妊娠、不妊、母子感染というかなり重篤な状況になりやすいです。
早期に発見して治療することが大切です。

日本での感染状況

感染者が多い性病の1つです。
感染力が強いので、コンドームを使うなど予防が必要です。

性器クラミジア感染症

名称

クラミジア。

原因は?

クラミジア・トラコマチスという真正細菌に感染しておきます。
とても感染力が強いので、パートナーが感染していたら二人とも感染している可能性があります。

あと、性器だけでなくのどにも感染します。

症状は?

男性は一般的な尿道炎症を起こします。

女性は感染しても症状が軽微で気が付きにくいです。
淋病同様に子宮頸管、子宮内膜、卵管などに炎症を起こします。

治療方法は?

薬による治療ができます。

放置するとどうなる?

女性は放置したり後遺症で、子宮外妊娠、不妊、母子感染というかなり重篤な状況になりやすいです。

日本での感染状況

日本では、推定100万人の患者がいるとされています。
最も身近な性病なので注意が必要です。

腟トリコモナス症

名称

トリコモナス

原因は?

トリコモナスの原虫が膣に入り病気を引き起こします。
主に性行為で感染し、便座、タオルなどを介して感染することもあります。

症状は?

男性は尿道炎ですが、あまり症状はわかりません。

女性はオリモノの増加、かゆみなど様々な症状がみられます。
さらにほかの性病と一緒に感染することも多く、悪臭を放つ場合もあります。

治療方法は?

座薬、飲み薬での治療です。

放置するとどうなる?

トリコモナスの怖いところは、ほかの性病を感染しやすくなります。

日本での感染状況

不明です。
アメリカでは毎年500万人の患者が出ています。

以上です。

性病の放置は危険

HIVのように治ることのない病気もあれば、クラミジアのように感染に気が付きにくい病気もあります。

ただ、どの病気にも言えるのは、放置は危険ということです。

不妊症の原因になります


男女とも不妊症の原因になる性病があります。
特に妊婦が感染した場合は、流産や早産の原因にもなります。

不妊症になる可能性がある性病

  • クラミジア
  • 淋菌感染症
  • 膣トリコモナス症

子供に感染する

出産時や、産後に母親から子供へ感染する「母子感染」の可能性があります。
子供に感染すると、肺炎や失明の原因にもなり最悪の場合は命の危険もあります。

出産時に感染する可能性がある病気

  • クラミジア
  • 淋菌感染症
  • HIV感染症/エイズ
  • 梅毒
  • カンジタ症
  • 膣トリコモナス症
  • ヘルペス
  • 尖形コンジローム
  • B型肝炎・C型肝炎

出産後に感染しする可能性がある性病

  • ケジラミ症
  • HIV感染症/エイズ

HIVは母乳にも含まれ、乳児の体内に入り込みます。

実際に、妊娠中に旦那様がHIVに感染し、その後母親が感染し、さらに母乳から子供に感染した事例もあります。

どれも危険な病気であることは間違いないので、早めの治療が大切です。


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